「一番好きな(面白い)映画は?」と言われるとガチ目に困ってしまう筆者。
面倒くさい奴だと思われそうなことは重々承知の上で、そこそこな数の映画を見ていると面白さにも色々あるし(ハリウッド大作の様なインパクトとか、アート性に特化しているとか、脚本やテーマが重厚であるとか・・・)全部ひっくるめたうえで一番、つまり一作品だけを選ぶことは正直不可能だと思っている。
なので今回はお題テーマである”コメディ映画”に焦点を当てていきたい。
筆者が定期的に観る(複数回観ている)くらいに好きなコメディ映画はこの4作品。
「チャップリンの黄金狂時代」「ジョニー・イングリッシュシリーズ」
「グランドブタペストホテル」「ミッドナイトインパリ」
まず、チャップリンとローワン・アトキンソンの作品に関しては正直どれも面白いし、言葉が通じなくても全世界共通で笑いを届けらるスペシャリストで(ローワン・アトキンソンはコメディアンのイメージは不本意なようだが)特に何も考えず要所要所でクスクス笑わせてくれる作品たちは癒しでさえある。
何回観てもオチが分かっていても子どもの頃のように無邪気に笑わせてくれる不朽の名作たち。
「ジョニーイングリッシュ アナログの逆襲」なんかはIT化されていく社会とその弊害を上手くコメディと絡めていて最高である。
仕事や育児、受験勉強に疲れたり、生きることに疲れてとにかく何も考えない時間が欲しいと思う方にぜひ観てほしい。
「グランドブタぺストホテル」はサスペンスと風刺要素もありの大好きなウェス・アンダーソン作品。
まず何といってもウェス・アンダーソン!過ぎて「ウェスアンダーソン過ぎる風景展」やAIも何となく再現できちゃうくらい、ウェス・アンダーソン型の拘りぬかれた画角・構図や舞台美術といった計算されまくった世界観を確立しているウェス・アンダーソン至高の世界が堪能できる。
しかも俳優陣が名優揃いで見ごたえたっぷり。ウェスアンダーソンの型にみんな目が行きがちだが、実は物語も第二次大戦前夜の出来事で考察するとより奥深く楽しめるのが本作品。
サントラまでもすっっっばらしい!ウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」。サントラ聴くだけで場面を思い出してニヤニヤすることもしばしば・・・(きもい)
表面的に観ると0時になると主人公が憧れていた19世紀のパリにタイムスリップして数々の偉人たちと出会うロマンチックなファンタジー物語なのだが、この主人公は憧れという言葉で片付けられないようなノスタルジーに浸っており、過去に生きているような人間なのである。
ここから先を話すとネタバレになってしまいそうなのでかなり端折っていくが・・・
そんな主人公が過去の憧れの存在と出会い交流していく中で、色恋的なことも経て、現代とどう向き合って生きるかを見出していく物語なのである。
別れたあの人も思い出はなぜか綺麗なとこだけ残ったり、亡くなった人の悪い面はなかったことにされたり、【過去】ってなぜか綺麗に映りがちで足踏みさせよう、留めておこうと誘惑してくるけれど【今】だって自分の選択次第でどんな未来も切り開ける可能性があると気づかせてくれる作品だと筆者は考えている。