東宝ミュージカル版『ジョジョの奇妙な冒険』札幌公演へーこれから斬首される二人の騎士が最後に見たのは泥か、光かー
高校時代から15年近く応援している「松下優也」くんが、地元でいっちばん立派な舞台上で、主演を張る!というので行かないわけにはいかないと昨年から心待ちにしていた本作品。
ジョジョ芸人くらいしか知識がない上(=ほぼ知識0)世界観的にも理解が追い付くか不安だったが、夫に聞けば「ファントムブラッド」は分かりやすいとのこと。特に予習せず、初めましてで挑んでみた。
結論、めっっっっっちゃ良かった!面白かった!(只今、絶賛ネトフリでシーズン4?「黄金の風」視聴中)
思ったより少年漫画感は強くなくて、洋画を観た感覚に近い。
なんといっても舞台が19世紀のイギリスという私の癖に刺さる世界線で、今アニメ版も見ているけど、確かに他に比べファントムブラッドは設定なども比較的分かりやすくとっかかりやすい物語だった。
特に、ジョースター父がジョジョとディオに語った騎士の物語(二人の決定的な価値観の違いとこれからの運命を感じさせる大事な話)がとても印象的だった。
女王陛下に忠実なる二人の最強騎士。
百戦錬磨の戦いをくぐり抜けながら女王を護りつづけたが、ある時女王は捕まってしまう。
ある人はいう、「お前たちが処刑台に立つなら、その代わり女王の命は守ってやろう」
彼らは女王を守るため、自らの命を犠牲にして女王の代わりに処刑台に立つことを選択した。
ところが、処刑台に上がった彼らは、その約束が反故にされたと処刑人から知らされ、斬首された。
彼らが斬首される直前に見たものは、足元の「泥」か「光」かー。
ジョジョとディオがその物語で感じたこと(価値観)が、彼らの決定的な違いとこれからの運命を位置づける伏線になっている。
裕福な家庭に生まれ、恵まれた環境の中、騎士道精神をモットーに素直に真っ直ぐ生きてきた主人公ジョジョ。
幼いうちに唯一の理解者である母を亡くし、酒乱で甲斐性なしの父親からの虐待環境下で何とか生きてきたディオ。
ある日を境に二人は同じ環境で一つ屋根の下暮らすことになる。
「光と陰」「太陽と月」「表と裏」「持つ者と持たざる者」である二人は、真逆のようで実は同じ何かを感じながら、決定的な違いによって永遠の因縁、のちに【数奇な運命】をたどることとなる。
物語もさることながら、初日公演が数日延期となり物議をかもしただけのこだわり演出や舞台セットも圧巻の見どころである。
よく海を越えて札幌まで来てくれた!!!と感激だった。感動しすぎて幕開いてナレーションも触りしか進んでいないところで既に泣けた。
アンサンブルの体を張ったパフォーマンスと歌は今までに見たどの作品よりも素晴らしかった。